VineSeed環境の構築要領
VineSeedはアルファ版であり、様々な問題があることを御了解ください。特にリリースバージョンからのアップグレードや、逆にリリースバージョンへのアップグレードに支障がでる可能性があります。またパッケージ構成もダイナミックに変わる可能性があります。正常にインストール出来ない場合や、アップグレードで重要なパッケージが動かなくなる可能性もあります。単純に利用のみの目的ではお使いにならないことを推奨します。
以下にVineSeed環境構築の一例を記述します。この例では、コンソールベースでの作業がメインとなります。日本語出力を抑制するために、適宜、言語を変更するなどしてください。
$ export LANG="C"
また、ほとんどのコマンドの実行にroot権限を必要とします。
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Vine Linuxの最新リリースバージョンを「ベースシステム」でインストールします。(パッケージグループの選択の際には、「基本構成」を選択します。)
インストール後、初回起動時にはネットワークデバイスが無効となっているため、nfs関連サービスの起動に失敗し、ログインプロンプトが出るまで時間がかかります。(Vine Linux 5.2で解消される予定)
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ログイン後、ネットワークを起動します。
# /etc/init.d/network start
次回起動時以降もネットワークが起動するように以下のコマンドを実行します。
# /sbin/chkconfig network on
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apt-getコマンドを利用してErrataを適用します。
# apt-get update # apt-get upgrade
再起動後、システムが正常に動作するのを確認します。
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APTによるパッケージの取得先を修正するため、ディレクトリ/etc/apt/sources.list.d/以下の全てのファイルをvim等のエディタなどで編集します。
例えば、Vine Linux 5.1の/etc/apt/sources.list.d/main.listには、次のような行が含まれています。
# (master) rpm [vine] http://updates.vinelinux.org/apt 5.1/$(ARCH) main updates rpm-src [vine] http://updates.vinelinux.org/apt 5.1/$(ARCH) main updates
#で始まる行はコメントとして扱われ、設定には影響しません。
この例では、“5.1/$(ARCH)”となっている部分を全て“VineSeed/$(ARCH)”に変更します。
これら設定ファイルの詳細は、次のようにしてsources.listのマニュアルを参照してください。
$ man sources.list
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APTを更新します。
# apt-get update # apt-get install apt libxml2
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グラフィカル環境が必要な場合は、以下の例を参考にしてインストールしてください。
# apt-get install task-xorg-x11 task-gnome
task-gnomeの部分は、GNOMEを使う場合です。
好みの日本語入力システムもインストールしておくと良いでしょう。
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システムをアップグレードします。
# apt-get update # apt-get dist-upgrade
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のようなメッセージが出た場合は、個別にパッケージをインストールします。
E: Unable to correct problems, you have held broken packages.
# apt-get install package1 package2 ...
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付録 D - VineSeed環境の構築要領でグラフィカル環境をインストールした場合は、/etc/inittabを修正します。
# cp -p /etc/inittab /etc/inittab.org # cp -p /etc/inittab.sysv /etc/inittab
必要に応じ、デフォルトのランレベルを編集してください。
システムを再起動します。
付録 D - VineSeed環境の構築要領のような状況に遭遇した場合、BTSで同様の問題が報告されていないか確認の上、新規レポートを作成してください。
新規レポートを作成する際は、分かる範囲で以下のような情報を含めてください。
- 使用しているコンピュータの詳細(CPU、メモリ容量など)
- 入力したコマンド・操作の流れ
- 具体的なエラーメッセージと前後の出力